メディアイクスペリエンス! 研究マップ
本研究室では多彩な内容を扱っているように見えるかもしれません。
しかし基本的にはコミュニケーションメディアを様々な側面から追及しています。
コミュニケーションメディアは、人間と人間、人間とモノ、モノとモノがコミュニケーションし合うためのメディアです。
そのメディアには
主体メディア(心のある主体的自律メディア) と 環境メディア(人の感覚や機能を拡張するメディア)
が考えられます。
主体メディアは、ロボットやエージェント等の、自分自身を持ち思考を持っているような主体になり得る存在を指します。
環境メディアは、アンビエントに人々を見守ったり情報を伝達する環境知能を含むメディアを指します。
主体メディアと環境メディアが相互作用しながら人間のためのコミュニケーションメディアとなれば、人間の豊かな感情を受け止める様々なシステムへ発展する可能性があります。
このような人間を取り巻く様々なモノを製作し、できるだけ客観的に評価していくために、様々な分野の学問が関係してきます。 例えばロボット工学、画像処理・音声情報処理などの情報科学、認知科学、心理学、応用分野に関わり医工学や脳情報科学などが関わります。 極論をいえば情報技術を用いて人間や周囲の物を創ったりするための夢の扉とも言えます。
ゼミの研究のワードクラウド(作成は数年前ですが大体こんな感じ)⬇️↓⬇️↓⬇️
(1) 擬人化される存在 「主体メディア」~ロボット・仮想エージェントの存在性とふるまいデザインおよび応用
主体メディアとして人に寄り添うロボットや仮想エージェントを実現していくために必要なことを追求します。 さまざまな表現モダリティを人間と同様に持たせると同時に、人間のように内部に心や感情を持たせ、自然にふるまうことを実現します。 応用は、子供やお年寄りなど相手の必要な人々に仲介者やパートナーとなりうる主体メディアを提供します。
キーワード: マルチモーダルコミュニケーション; 日常生活支援; 無意識の誘導; 感情表現・感情理解; 視線; 音声抑揚; 調整; 仲介; パートナー;- (1)-1 実感する接触体験1:スキンシップ(ソーシャルタッチ)のできるロボットへ向けて
- (1)-2 実感する接触体験2:生物感のあるロボットの追求 ロボットは人工物で生きていないのか、それとも生き生きとした人工物なのか、それ以前に生命はあるのか..本当は機械的な機構で成立するロボットのしくみに、人間と同様の温かい生命を宿らせることができるかのチャレンジです。
- (1)-3 空間性と共存:仮想エージェントの現実化 仮想エージェントは2次元画面の中のキャラクタです。しかしもしそのエージェントが実世界に共存出来たら、実空間の他のオブジェクトを共有したり一緒に見たりできるはずです。そんなエージェントの存在をVR技術を用いて実現しました。
- (1)-4 人と関わる擬人化システム1:グループ内協力や個人生活行動を支援するエージェント (生活行動変容とエージェントデザイン)
- (1)-5 人と関わる擬人化システム2:高齢者の行動変容とエージェントやロボット
触りあう人とロボットの関係と温かいコミュニケーションを目指します。母と子、恋人同士など、親密な関係性における触れ合いをロボットにも実現できるよう検討しています。ロボットに触れるということや、ロボットに触れられるということは人間に何を起こすのかも追求します。
(2) 環境メディアとMX~音や映像のAR環境によるパラレルコミュニケーションメディアの創出
知的で直感的理解をもたらす環境メディアの創出を狙います。現行するコミュニケーションをいかに支援し豊かにするかをテーマにしています。
特に現在は、1人と多人数が向き合う講演などを双方向化し自由なやり取りを実現するための聴衆理解や音響環境利用をメインとしたテーマがあります。
様々な五感デバイス(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を新規に実装したり、五感デバイスを活用したVR/AR環境を実現するテーマも含みます。
他にも、元々の狭い環境をARにより様々な場所や状況に変遷させ、議論コミュニケーション環境やリラックス環境を切り替えるなど、人間の心理や働きを間接的に調整する試みも行っています。
- (2)-1 教室内でのコミュニケーションを支援する音響空間の応用
- (2)-2 指差し理解を支援するAR重畳表示の時系列提示
- (2)-3 デスク環境を無限にする半透明パーティションによる環境切り替えシステム
- (2)-4 議論環境を知的に・環境的に支援するバーチャルラーニングコモンズ
(3) 人間の解明とメディア活用~MXの再現性と統合
キーワード:
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- (3)-1 ソーシャルネットワークメディアの拡張
- (3)-2 人間の意識・興味・欲求などのモデルシミュレーションや所有概念の構築
- (3)-3 人間関係のモデルに基づくコミュニケーション支援システム
(4) 新しいコミュニケーションメディアの創出と応用
(1)-(3)を拡張し、新たなメディアを創成することで、エンターテイメント分野やインタラクティブアート体験、広告や誘導システム、高齢者支援や見守り、子供の知育や見守り、障がい者の方の情報補完、などを実現します。 五感デバイスを活用し、ユーザや文脈に合ったシステムやサービスを検討します。
Keywords: エンタテイメント; 教育システム; e-learning; 高齢者支援・高齢者介助支援システム; 知育おもちゃ; 楽器システム; 音楽インタラクション; コンセプチュアルアート; 音声メモ; 3次元音響; 記憶とメンタルスペース;- (4)-1 音声付箋装置によるAR聴覚メモの実現
- (4)-x 障がい者支援デバイスの開発
聴覚的な空間提示による音声付箋を活用し、一覧性と同様に「聴き渡せる」メディアデバイスを提案します。
視覚障がい者の方が点字ブロックやサイン音などの案内のない環境でも比較的安心して単独行動がしやすいシステムの開発を目指しています。(名古屋大学 榎堀優先生、本学吉田直人君と共同)
キーワード: 触覚デバイス; バーチャル壁面; バーチャル点字ブロック; 誘導;
(4)-x-1 スマート白杖を通じたバーチャル壁面による安全な歩行の支援
白杖の先端に、ソレノイド素子をつけることで、バーチャルな壁面に衝突したかのような衝撃を発生させ、安全な歩行ルートを案内します。(名古屋大学)
(4)-x-2 足裏のモータアレイによるバーチャル点字ブロックの可能性の検討
足裏にモータなどの触覚デバイスアレイをつけることで、歩行時に存在しない点字ブロックを提示し、安全な歩行方向を案内します。(関西大学)