#author("2021-12-10T22:15:47+09:00","","") #author("2021-12-16T14:58:10+09:00;2021-12-10T22:15:47+09:00","","") [[20_Tanno]]に戻る *研究の概要 [#qe1594a9] ビデオゲームにおける心理戦に生まれる非合理的行動について検証する。 **研究のタイトル [#c15aab4e] ビデオゲームにおける心理戦に生まれる非合理的行動はなぜ生まれるのか. **研究キーワード [#zf8155d8] -心理戦 -駆け引き -ビデオゲーム -不完全情報ゲーム -誘因行動 -誘導思想 -焦り -非合理的行動 -相手の心情 -タイムリミット -スコア **研究は何を目指すものか(目標) [#ycf0ad28] ビデオゲームにおける心理戦に生まれる非合理的行動の発生要因の解明を目指すものである。 **Reserch Question [#nbf6f932] 「ビデオゲームにおける心理戦に生まれる非合理性はなぜ起きるのか」というものである。ここでいう非合理性とは、利益が最大化すべき状況でユーザーが最大化とはならない行動のことを指す。例えば、FPSおいて敵の目の前に突進すれば高確率で倒されるが、タイムリミットといった様々な要因によりそのような非合理的行動を引き起こす。その要因のうち、相手の心情がどの程度影響を及ぼすのかどうかを言及していく。 --どのリサーチクエスチョンに答えるためにどういうシステムを提案・実装したのか --- --どのリサーチクエスチョンに答えるような実験をするつもりか --- **この研究がうまくいけば何が実現するのか(将来、可能性、応用など) [#ie15b4b1] ビデオゲームにおける心理戦という一面を前面に押し出すことが容易になることだろう。 **この研究の新規性・新奇性 [#l6c8ba81] 非合理的行動に注目された研究はないと思われる。 **この研究の有用性 [#h7ca33c0] 開発者側が、あえてユーザに非合理的行動を誘引させることで勝負のランダム性が増すことにより勝負の行方が分からなくなる。これにより、面白みがますのではないだろうか。 **目指すシステムの形(どういう入力でどういう出力があるか。何ができるか。) [#r79f91da] -目指すシステム --見下ろし型のシューティングゲームを作る。また、そこに心理戦に生まれる非合理的行動の要因となりえる、要素を追加していく。 -入力 -- -出力 -- -何ができるのか. --非合理的行動の検証 **システムのターゲットユーザ [#rc79ce07] 現段階においては、ゲームのルールが理解できるすべてのユーザを対象とする。年齢や性別に有意な差が生まれるのかは本研究の対象としない。 **システムの活用シーン [#kcab3d98] 基本的にシステム自体に今後の活用があるとは思えない。 UnityとFaceAPI.jsとの連携に関しては、これからの知見に活用できるだろう。 *研究トピック(議題)整頓 [#h27422b7] *最近の計画 [#e17cf489] **5月の目標: [#yb230cf2] -デモゲーム --UIの作成 --当たり判定の微調整 --FaceAPIとUnityとの連携 **10月の目標: [#yb230cf2] -デモゲーム --スタート画面の追加 --カウントダウンの追加 -実験 --実験準備完了(周辺機器をそろえて、場所の確保) --被験者確保 -論文ドラフト --version2.0を書き終える。 **12月の目標: [#yb230cf2] -実験 --分散分析の言語化完成 -論文ドラフト --version2.0の詳細化 -論文概要 --論文概要を書き終える *研究ノート [#lafe115e] -[[OGIS総研コンテスト>https://docs.google.com/document/d/1Ob2lAq3eCpviNuqkOpkEqHM9UNgaYHvJQmfrJtliDYs/edit?usp=sharing]] **ゼミのログ [#ie21d729] -[[4/29(木)ブレイクアウトルームディスカッションlog>https://docs.google.com/document/d/1RhPzDBnD1DS7MqQgT8D-d_4WGhdUuZoptb5Y3q0gNN4/edit?usp=sharing]] -[[5/6(木)ゼミlog「RQと仮説について」」>https://docs.google.com/document/d/1PbSzx7CbXykrdpM46uNBJ-PtPOt7nuxIt668kM-RLe0/edit?usp=sharing]] -[[5/13(木)ゼミlog「RQのFBとシステム概要について」>https://docs.google.com/document/d/1mP1mslw97GScQt71Jz2sW9JmEEsaHhK9XUWRx9kFF38/edit?usp=sharing]] -[[5/20(木)ゼミlog「実験計画について」>https://docs.google.com/document/d/1ZULnPXNHU09Z4_aHoayB8o5ozWa041C9yLFJzc22qUE/edit?usp=sharing]] -[[5/27(木)ゼミlog「実験計画についてのFB」>https://docs.google.com/document/d/1oCuUKym8Wu7h1cYBg49nCIXVIvCsgA1pWo2IG0SWeAE/edit?usp=sharing]] -[[6/3(木)ゼミlog「6月やるべきこと」>https://docs.google.com/document/d/11uxF8PjRHU-FHDYZ-nhDBJtHTVBlrNV5qjCW54ptc-c/edit?usp=sharing]] -[[7/1(木)ゼミlog「実験から考察にかけて」>https://docs.google.com/document/d/1ZUJV8YEG_93pZkoqRcoRM5wIGYf3MRVsC7RJpyzJP3I/edit?usp=sharing]] -[[7/8(木)ゼミlog「検定について」>https://docs.google.com/document/d/1wXbrVf0F3p9AZM0fPC9Fw2XVAAdn82_u2TZVD1UJFoY/edit?usp=sharing]] -[[8/5(水)log「パイロットテストへのFB」>https://docs.google.com/document/d/17zjxOaAgOcgNf8iRdSM4oc9I836VJLOXBlcBJwb4Oko/edit?usp=sharing]] -[[9/30(木)log「実験場所について」>https://docs.google.com/document/d/1rHskXY4M27kG8CZnT1AEgzekB-VgO5-6rkdDb--DzKU/edit?usp=sharing]] -[[10/21(木)log「分散分析結果の分析ついて」>https://docs.google.com/document/d/1prHBqlXOmtAFEk2xDNxmOEllzRLu00pm9g1F96QefhE/edit?usp=sharing]] -[[12/2(木)log「アブストついて」>https://docs.google.com/document/d/1uUMsQgE4atpHeDCrZG8_Z3j7A-U-hilQOVJhYTMLiM0/edit?usp=sharing]] -[[12/16(木)log「進捗報告」>https://docs.google.com/document/d/1jWhZ5p_iCkrDsITDQvf9dCBczbcGAgPJbG3WglVK1FY/edit?usp=sharing]] **卒論 [#n983d696] -[[論文version1.0>https://docs.google.com/document/d/1RhPzDBnD1DS7MqQgT8D-d_4WGhdUuZoptb5Y3q0gNN4/edit?usp=sharing]] -[[論文version2.0>https://docs.google.com/document/d/1ztGQ9Pxiat05J3Aw5-yYBQA-Xan4kaBvWCux5gxVkR0/edit?usp=sharing]] **実験計画書 [#n983d696] -[[実験計画書ver1.0>https://docs.google.com/document/d/1xYXZBUWgz5XyTWvyX7BV6x9tOBOV1xo6VlD40CtyA9o/edit?usp=sharing]] -[[実験計画書ver2.0>https://docs.google.com/document/d/16zlVDZuRLJvB40sMDMgHCCLjFZWEnlhzFoQnzb0cG2I/edit?usp=sharing]] -[[実験計画書ver2.1>https://docs.google.com/document/d/1KwWnOAmBi7v2S5QQovVjjEfOTM_O9SpFlKFzMZBSjLI/edit?usp=sharing]] -[[実験計画書ver2.2>https://docs.google.com/document/d/1RG3Nzl-3tFDUBaXZWORt1s1VvrEFiJGn-WLyiiCiNZo/edit?usp=sharing]] -[[実験計画書ver2.3>https://docs.google.com/document/d/1xplI-m_EWsUpKMUWPc2NZ52mJeNORRSzsOXDg9x-NFM/edit?usp=sharing]] -[[実験計画書ver2.4>https://docs.google.com/document/d/1KGbl68JFZgeoegHwAaeTdRa8rTtp9sx1Q0b9vLahilU/edit?usp=sharing]] -[[実験計画書ver2.5>https://docs.google.com/document/d/1n31kf1jLb7kd3cnGK8DuvUdpomn03N0ZX6dXd8Za_H0/edit?usp=sharing]] -[[実験計画書ver2.6>https://docs.google.com/document/d/1FXvmFsfWehyuiX_zyy_vUNDRSLwPWZtOM-o4RwzzeBE/edit?usp=sharing]] -[[実験計画書ver2.7>https://docs.google.com/document/d/14_ZcxX2wdUuriyTqh4Osf3bZ3vMFIz5tP4NYEA9idBU/edit?usp=sharing]] -[[実験計画書ver2.8>https://docs.google.com/document/d/1_H9ZE1dneUohYTyMu2DmDi2GeNHwz_yymbC6bDDDp-g/edit?usp=sharing]] **卒論概要[#n983d696] -[[卒論概要ver1.0>https://docs.google.com/document/d/1ycSJzF71k-qC8R76PXyFYR3ZVY7Ie_USA4A0DIF5eIA/edit?usp=sharing]] **参考文献リスト(論文) [#k82cad73] (自分が日々読む、論文や書籍の記録を取る。[[GoogleDocsのSheets機能:http://sheets.google.com]]を活用し、閲覧可能にしておいてリンクをここに貼るのもOK。このテキストはコピーした先では書かなくてOK) ***参考文献キーワード:心理戦,焦り,極限状態,非合理性[#a889bfc8] |著者 |タイトル |発表場所や出版社 |掲載ページ 23〜56など(もしくは全体ページ数) |発行年| 内容の簡潔なまとめ| 内容の詳細メモ| 自分の研究との関連性のメモ| |富沢 貴大・今渕 貴志・蛇穴 祐稀・伊藤 久祥|顔向きに依存しない顔表情認識システムの開発 |情報処理学会,第78回全国大会講演論文集 | 2016(1), 331-332 |2016-03-10| 顔表情を適切に判定するためには,対象の顔画像に対して事前に真正面化処理を施す必要があり,さらに顔真正面化処理の性能と表情の識別率との関連についても詳細に分析する必要がある.真正面化の違いによる表情認識結果を分析し,真正面化処理を改善する方法について提言する.|1.先行研究&br;・Ekman(2012)に基づく基本感情(驚き・嫌悪・怒り・幸福・恐怖・悲しみ)|真正面化処理はさておき、顔表情認識の技術の知見を得ることができた。| |平山 孝輔・佐伯 幸郎・中村 匡秀 |ユーザ定義の顔特徴量をリアルタイム計測可能な表情センシングサービスの検討 |電子情報通信学会 |vol. 119, no. 178, SC2019-17, pp. 29-34 |2019-08-16| ケアの効果を評価する手段として,眉の高さや口角などの顔のパーツの変化=特徴量を観測することでその人の感情を推定する表情分析に着目し,介護者などが計測したい顔の特徴量を自由に定義し,その値を自動的に計測,記録,表示する「表情センシングサービス」の提案を行う| 1.本研究について&br;・感情分析サービスを用いることによる弊害(感情の分析モデルのブラックボックス化)をなくすため、利用者が微細な表情変化をもたらすような顔の特徴量を自分で定義し、その値をリアルタイムに計測、記録する表情センシングサービスを提案する。これにより、「微細な表情変化による感情分析」及び「説明可能な表情分析」が実現できる。|「微細な表情変化による感情分析」を行うことは非常に重要である。心理戦において、相手を出し抜くために感情を表に出さないこと(ポーカーフェイス)は頻繁に行われるため、真の感情を検知するためには必然的に微表情変化をとらえる必要があるのである。 | |清水 建二|「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く |フォレスト出版 |全242ページ|2016| 著者が人間を理解しようと、あらゆる学問に手を出した結果、到達した現時点での最新の科学的観察法および質問法についての実用書である.他者の本音を察することで、うそを見破ることだけでなく、人を深く理解し人とのかかわり方を劇的に変えるスキルを提案する.| 1.一瞬の「反応」から相手を見抜く&br;・微表情とは抑制された感情が無意識のうちにフラッシュのごとく現れては消え去る微細な顔の動きのこと.&br;・ハガードとアイザック(1960)によって発見され、ポール・エクマン博士によって実用化された概念.近年、微表情を自動的に検知するカメラも開発される.&br;・本音が漏れる場所は、表情・身体・声という三つのチャンネルである.これは感情漏洩モデルに基づく.本音を隠すには、①表情②声③身体の順番に容易であるというもの.しかし、①身体②声③表情の順に本音に関する情報量が減るためざっくりとしかわからないというジレンマが生じる.&br;・ジレンマの解消には、微表情と微動作という二つの現象を解明する必要がある.微表情とは、人のコントロールの隙間を一種だけすり抜け、一瞬だけ本音を露呈させてくれる.&br;・微動作とは、抑制された感情が無意識のうちに提示範囲外に断片的に表れる身体の動きのこと.断片的:あごの下から腰の上までの範囲.&br;・声にも本音が漏れる.「え~」など言葉にならない言葉=パラ言語や言葉の使い方の変化も重要.&br;・微表情・微動作・声チャンネルに習熟し、それぞれを注意深く観察することで、感情漏洩モデルの原則に囚われることなく、相手のありのままの姿を観察できる.&br;・人間は抑制と表出で本音をコントロールする.本音のコントロールとは感情をコントロールすることを通じて、自分の本心とは異なるメッセージを表情・身体・声(言葉)で発することである.その中で、感情をコントロールするとは、抑制(弱化・中立化・隠蔽化)と表出(強化・修飾化・偽装化)という二つのストラテジーを使うことを指す.&br;・感情のコントロールの仕組みに対して習熟しなくとも、微表情と微動作の読み取りをマスターすれば、他者の本音を推定することができる.微表情と微動作を読み取ることができるようになれば、包括的に相手の本音の痕跡を見つけ出せる.&br;・微表情とは抑制された感情が無意識のうちに一瞬の表情となって現れる現象であり、感情コントロールの結果として起きる.ゆえに、微表情をキャッチするためには表情の基本形を学ぶ必要がある.&br;・表情は万国共通である.この説を支える証拠は、目に見えない人を対象とした観察から得られた(パラリンピックの柔道会場)というもの.他にも、ダーウィン、トムキンス、エクマン、イザード、フリーセンらの一連の調査や実験など.&br;・2016年現在、万国共通の表情として考えられている表情は全部で7種類.幸福・軽蔑・嫌悪・怒り・悲しみ・恐怖・驚き.&br;・表情に生まれる文化差は、社会的な制約により生まれる.これは、ある集団の中のある状況下で表すべき適切な表情の決まり、表示規則であるといえる.つまり、表情は万国共通であるが、そのコントロールの仕方に文化差、広くとらえるならば集団差があり得る.|心理戦における感情推定においては、真の感情を推定することの難易度が上がることが予想される.相手を欺くためにしている表情なのか、真の表情なのか.これらを見抜くためには本書の微表情変化をきめ細やかに検知することが求められるだろう.| |里井 大輝 |感情を揺さぶるメタ AI ~ゲームへの実装方法とバランス調整への応用事例~ |CEDEC2019,https://cedec.cesa.or.jp/2019/session/detail/s5c986cec55f60.html |??? |2019| プレイヤーやゲームの状態に応じてゲームデザインをダイナミックに変化させるメタAI技術が近年発展しつつある.しかし、実際にメタAIをゲームに組み込もうとすると、メタAIによって変化するゲーム要素の設計や、ゲームの変化とプレイヤーの感情変化との対応関係の設計が難しい問題がある.本セッションでは、プレイヤーの感情を「勝利への期待感」と「敗北への不安感」の組み合わせで表すことでこれらの問題を解決するメタAIの具体的な手法と作り方を説明する.また、メタAIと連携してバランス調整を支援するゲームプレイ分析ツールを開発し、弊社でのゲーム制作に利用したことで得られた知見を紹介する.| ・ゲームとは、ユーザの行為が体験に変化をもたらす仕組み.&br;・プレイヤの関与:ユーザの行為が体験の変化をもたらす仕組みの必要条件&br;・メタAI:ゲームAIの一つ.ゲームレベルの状況を監視してエージェントに指示を出して全体の流れを作る.&br;・2次元感情マップ:複数のプレイヤの感情を「勝利の期待感」と「敗北感の不安感」の2軸による直交座標に基づき、そこから想起される8つの感情をマッピングしたもの.メタAIは現在の感情を推測し、それを2次元感情マップ上で常に反対側に動かす.&br;・Ru-I-Di-ism:Rule,ゲーム性,インタラクション(ゲームプレイそのもののこと.),Dillema(メタAIのような、プレイヤーに難しい選択を与えること.)&br;・メタAIは感情を揺さぶる.それは現在のFPの反復運動を意味し、結果としてネガティブな感情ないしはポジティブな感情方向への誘導となる.&br;・揺さぶり方として、直接的な揺さぶりと他の感情に寄り道して揺さぶる方法とがある.|・本セッションにおいては、ゲームにおいてユーザの感情を反映させたシステムを実現させており、メタAIとユーザとの心理戦の攻防が繰り広げられる.これは一種の心理戦といえる.| |原田 和明・兼松 祥洋・茂木 龍太・三上 浩司|プレイヤーのリアクションの音響的特徴量に基づく動的難易度調整|情報処理学会,エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2020論文集|8-11|2020-08-22| 近年、様々なゲームにおいてプレイヤーの感情に沿ったゲームデザインをする工夫やその研究がなされている。その中でも本研究では、プレイヤーがプレイ中に発する音声に注目した。ゲームプレイ中、プレイヤーは無意識に音声を発することがある。それらの音響的特徴量を入力情報として感情を推察する。その感情を考慮し、動的に敵の発生頻度や発生上限数、攻撃頻度を制御するシステムを開発した。|1.先行研究&br;・Boothらによる、プレイヤーの現在の緊張度に基づくゲームシステム&br;・里井らによる、二次元感情マップに基づくゲームシステム&br;・飯高らによる、音声と感情の研究。音響的特徴から5つの感情を推定するシステムの作成。&br;2.本研究の手法&br;・マイクから一定以上の音の入力があった場合、その音声を指定時間録音する。&br;・その後その音声を指定時間録音する。&br;・その音声をWebEmpathAPIにPOSTする。&br;・APIから帰ってきた文字列を書く感情ごとに切り分け、それぞれの感情の数値を取得する。&br;・ここから得た各数値を制御側に渡し、難易度の調整を行う。&br;3.実験と検証手法&br;・デモゲームを被験者にプレイしてもらう。&br;・質問紙調査による検証|・UnityとAPIを連携させるヒントとなった。&br;・詳細は書かれていなかったので、具体的な実現方法の模索は必要である。| |佐藤 秀輔・角 薫|感情と行動を利用したゲームベースの物語生成システム|2019年度人工知能学会全国大会(第33回) | 33 |2019| 本研究では,リアルタイムのプレイヤーの感情に応じて,自動的にコンテンツを展開するゲームベースの物語自動生成システムを開発した.プレイヤーは作成された仮想空間上である物語の導入を体験し,そこからその物語にどのようなアクションを行うかによって物語の展開が変わるといったものである.|・生成された物語に関するアンケ‐トにより、生成された物語は面白いという意見が多い.自由記述から、自分の行動が文章となり再度客観的に読める自体が面白い」といった、自分の行動ベースで物語を生成することは有用である.&br;・感情付与の有無を比較したアンケートでも感情情報が付与された物語の方が場面を想像しやすいという結果となった.「何をしていたのか想起されやすいから.感情情報がないと他人の行動を見ているみたいだから」といった、感情が物語をより印象付けるものとなっている.&br;・SD法から非没入感、非斬新性、物語性という三つの因子が抽出された.&br;・非没入感という因子では、生成された物語がほとんど行動履歴のようになっており単調な物語が生成されていたことが原因の一つと考える.&br;・物語性という因子では、今回生成された物語がある一つの流れを保って物語の結末まで展開することが出来たことが要因であると考える.|非没入感かつ物語性の特徴を持つ、本研究のシステムは、人の内的表現(その人の行動の原点)が自身が関連した感情に影響を及ぼしやすいことがわかる.過去の自分と現在の自分との感情の錯綜が起こり、一種の心理戦が起きていると思われる.| |林 博史|沖縄戦における米軍心理戦研究の課題|琉球大学学術リポジトリ,研究報告書(沖縄戦における日米の情報戦 -暗号・心理作戦の研究-)|39-60|2006-03| 本 稿 は 、 沖 縄 戦 に お け る ア メ リ カ の 心 理 戦 を 本 格 的 に 研 究 す る た め の準 備 作 業 で あ り 、 そ の た め に 次 の 3点 に つ い て 検 討 す る 。 第 1 に 、 沖 縄戟 を 中 心 に し な が ら 、 対 日 戦 に お け る ア メ リ カ の 心 理 戦 に つ い て の 日 本で の 研 究 に つ い て 取 り 上 げ 検 討 す る 。 第 2 に 沖 縄 戦 を 担 当 し た 太 平 洋 方面 軍 司 令 部 が 、 沖 縄 戟 を 準 備 す る 段 階 で 心 理 戦 に つ い て ど の よ う な 認 識を 持 っ て い た の か 、 同 司 令 部 の 資 料 を 紹 介 し な が ら 検 討 す る 。 第 3に 心理 戟 に 関 す る 資 料 は 心 理 戦 の 研 究 だ け に と ど ま ら ず 、 ほ か の 観 点 か ら も資 料 的 価 値 は 高 い 。 沖 縄 戟 研 究 に お い て そ う し た 資 料 が 持 つ 意 味 に つ いて 、 具 体 的 な 資 料 を 紹 介 し な が ら 考 え た い 。 | 1.はじめに&br;・心理戦とは、心理学的手法を使って、敵の抗戦意志をくじき、自軍の損害を最小限に留めることにより、戦争目的の達成を促進するための軍事作戦の一つである。&br;・対象者は、前線の敵国将兵から銃後の一般国民、敵国によって占領されている住民や植民地住民など幅広い層である。&br;・心理戦の到達目標レベルは、戦場で直面している敵軍将兵の士気を弱め、投稿を促し、当面の先頭においてより少ない損害と短い期間での勝利を目指すという戦術的なものから、敵国民全体の抗戦意欲を弱め、戦争のすみやかな勝利をめざす戦略的なもの、さらには戦争での勝利後の占領統治など戦後をにらんだ、より長期的な目的(例:天皇制をどう扱うのか。)など様々なレベルがある。&br;・米軍による心理戦の手段としては、ラジオ放送、リーフレットの散布(空中散布など)、前線でのラウドスピーカーによる宣伝など様々な手段が講じられる。&br;・重要なのは、心理戦の手段ではなく、その中で何をいかに語るのかという問題である。&br;・敵将兵や国民の心理に上手く働きかけるために彼らの心理分析を行った。&br;・心理分析のための生の資料として、敵軍将兵の捕虜からの情報、日本軍の文書(命令書や陣中日誌などの公文書)、日本軍将兵の個人の日記からの情報などが挙げられる。&br;・敵将兵の心理を探る情報として、日本軍の作戦計画や配置、将兵たちの士気、武器弾薬や食料の事情、日本本土の状況などが挙げられる。&br;2.米軍の対日心理戦の研究史&br;・太田 昌秀氏により、沖縄戦における米軍の心理戦について概括した、初めての著作「沖縄戦化の米日心理戦作戦」が出される。&br;・太田氏の研究は不十分な点が多い。&br;3.太平洋方面軍司令部の心理戦-沖縄戦の前史&br;・「心理戦」第一部・第二部によると、心理戦は「戦闘宣伝」として位置づけられ、その宣伝は言葉とアイデアという媒介を通じて組織的に他社の行動と思想に影響を与えるものとして定義されている。&br;・朝鮮人や徴兵された労働者や日本軍人などと、それぞれに応じた心理戦を行う。&br;4.まとめ&br;・沖縄戦における心理戦は、沖縄戦に至るまでの太平洋の島々での戦闘における心理戦の実態と経緯、そこで米軍が学んだことを明らかにする必要がある。また、その後の対日政策・対沖縄政策との関連も分析する必要がある。さらに、あらゆる機関の関与が考えられるため、単純ではない。&br;・沖縄戦研究は、時間的にも空間的にも広い視野が必要である。|・ビデオゲームにおける心理戦を考える上での参考となるであろう。&br;・心理戦が人々に与える影響についても考慮する参考となりえる。(沖縄戦においても、心理戦自体が効果的であったかどうかは懐疑的ではあるが。)| |林 博史|日本人のアイデンティティと天皇―捕虜になった日本兵の天皇観―|自然人間社会/関東学院大学経済学部教養学会,関東学院大学経済学部総合学術論叢『自然・人間・社会』 |第38号, 3-16 |2005年1月|第2次世界大戦において心理戦は重要視され、特にアメリカは日本兵捕虜への尋問や没収した文書の分析を通じて、日本人の意識分析をおこなった。その際の重要なテーマの一つが日本人の天皇観であった。本稿は、アメリカの戦時情報局海外士気分析部臨時国際情報サービスが作成した『日本の天皇』と題されたレポートを手がかりに、戦中の日本人が自らのアイデンティティと天皇をどのように重ね合わせていたのかを分析したものである。その結果、個々人が自らの願望を天皇に投影させ、自らの考えの正しさの根拠を天皇に託するというあり方を明らかにし、そうしたあり方が天皇の戦争責任追及がなされなかった一因としてあり、さらに今日にいたるまで日本人の主体形成上の大きな問題となっていることを指摘している。|1.初めに&br;・心理戦とは心理学的手法を使って、敵の抗戦意志をくじき、自軍の損害を最小限に留めることにより、戦争目的の達成を促進するための軍事作戦の一つである.&br;・敵の心理に上手く付け入ることの出来る内容にするためには敵の心理分析が不可欠であった。現在の生の資料、特に、現役の日本軍将兵の意識分析が重視された.&br;2.戦争に批判的な日本兵の天皇観&br;3.戦争を支持する日本兵の天皇観&br;・一部の共産主義者を除いてほとんどが、天皇は戦争を望んでいない平和を愛する人物だと思い込んでいる.各人は自分の個人的な考えや願望を、それは天皇の意思でもあるのだと、天皇に投影して見ている.そのことにより自分の考えを正当化し根拠づけようとしている.神聖化された天皇というものは中身が空虚なものであることによって、各人それぞれが自己の期待を投影させることができる.ゆえに、天皇の戦争責任が追及されなかった.&br;4.まとめ&br;・国家の理想と天皇と同一化することで、通常の事柄の成り行きにもかかわらず、国家の理想は無傷で、高貴で、神聖のまま維持されただけでなく、平均的な日本人が個人的に天皇と同一化し、また投影の過程によって自分自身の人生観あるいは目標を天皇に求めるという、多くの日本人の傾向がある.&br;・国家に依存するしか、自らの拠り所を確認するしかない、市民社会の未成熟さを示している.個人の思想と行動の基準を市民が相互の共同の中で主体的内発的に確立するためには、天皇制の呪縛からの解放がいるのだろう.|軍事における心理戦こそがビデオゲームにおける心理戦の源流であるといえる.軍事における心理戦を紐解くことがビデオゲームにおける心理戦につながるのである.| |比嘉 要|心理戦における米軍の宣伝ビラの目的と効果|琉球大学学術リポジトリ,研究報告書(沖縄戦における日米の情報戦 -暗号・心理作戦の研究-)|61-76|2006-03|本 稿 で は 、 第 二 次 世 界 大 戦 の 際 に 、 米 軍 が 主 に 日本 兵 に対 して ど の よ う な 心 理戟 を展 開 した の か を米 国 立 公 文 書 館 に保 管 さ れ て い る 文 書 資 料 を も と に 、 考 察 する 。特 に 宣 伝 素 材 と して 対 日本 兵 ・対 住 民 に効 力 を発 揮 した 米 軍 の ビ ラ (leaflet)を 中心 に 、 米 軍 の 心 理 戟 に お け る 基 本 戟 略 と ビ ラ の 効 果 に 焦 点 を あ て 、 沖 縄 戦 にお け る 心 理 戦 の 特 質 を みて み た い 。|1.はじめに(心理戦とは)&br;・米軍の「南西太平洋地域における心理戦の基本軍事計画」によると、敵に対して行われる心理戦とは「敵国軍と敵国民の士気を低下させること、また、敵占領地域の住民に対しては、敵に対する抵抗意識を徐々に浸透させていき、士気を創り上げていくことがその役目である.」&br;・米心理作戦部(PWB)の「P.W.B戦闘プロパガンダ」によると、「心理戦における火力はプロパガンダである。プロパガンダは、敵が何を考えているのか、また、どのような新たな考え方が敵の嗜好に影響を与えるのかということに関する綿密な研究の成果である。その目的は、戦場において敵を容易に打ち負かすためにある.」&br;2.心理戦の基本戦略&br;・陸軍省軍事情報部(MIS)心理作戦課によると、日本に対する心理戦の目的ば次のようなものである。&br;(1)日本の士気を下げる.(2)日本の軍事行動を弱体化させ遅延させる.(3)日本軍部の信用を下げ、崩壊させる.(4)日本を同盟国と中立国から分離させる.3.心理戦の効果&br;・戦場におけるプロパガンダの効果をしるには、捕虜に直接その効果を尋ねるのが最も確実な方法である。&br;・印象に残ったビラについて、目撃場所、目撃時、記載内容、自身にあたえた影響を質問した。&br;・例:拡声器を用いた放送によって、自分が投稿という行動に誘導されたのかどうか。&br;投稿を呼びかけるビラの効果は実際の投降したものの数でも推測できる。しかし、米太平洋艦隊兼太平洋軍司令部の「心理戦の展開と効果」という報告書によると、沖縄におけるビラの効果を投降者の数や割合を基に評価している。&br;・戦時情報局は、軍事的圧力の増加があった際に、心理的圧力は顕著な結果をもたらす.| ・非合理的行動をも、心理戦において、自らの立場が弱まる状況下において発生しやすくなるという推察に繋がる。| |西村 詩織 |焦りに関する研究の概観と展望 : 焦りの包括モデルの提案 |東京大学大学院教育学研究科紀要,東京大学大学院教育学研究科 |巻 47, p. 251-258 |2008-03-10| 本研究では、「焦り」体験に関する研究をレビューする.「あせり」は日本語の名詞(動詞の形は「あせる」)で、「焦りやイライラ」「時間の切迫感」「時間の不安」など幅広い経験を指します.しかし、焦りに関する十分な研究は行われておらず、その概念は明確に定義されていない. これまでの多くの研究は、焦りの特定の側面にのみ焦点を当ててきました。 焦りに関する研究をレビューした結果、研究の統合が重要であることとしている. さらに、多次元アプローチも有用であると考えられている. |2.焦りに関連する先行研究の概観&br;・Dapkus(1985)は時間体験に関わる研究をテーマごとに分類し、①時間の変化、一貫性に関するもの、②時間の有限性、「時間内に事を行う」ための選択に関するもの、③時間の持つテンポに関するもの、の三つに大別している.このうち、焦りは主に②の時間の有限性や、「限られた時間の中で物事を行う」ための評価や選択ということに大いに関係しているものと考えられる.&br;・時間研究の分野から、時間的切迫感、時間不安に関する概観.&br;・時間的切迫感:「十分に時間がない感覚」から圧迫をうけることをいう(Price,1982)&br;・タイプAについて&br;・時間不安:時間的展望の下位概念の一つ.時間の経過それ自体を脅威の対象とした不安をいう(Winnubst,1988).&br;・ヒューマンエラー:あるシステムの期待された機能を発揮するために、作業者に要求されている能力からの偏り(黒田,1978)&br;・焦りによる失敗の構造:「自分は勝たねばならない」ということに注意を集中しすぎて,情報処理容量を多くとられ,また「勝ちを急ぐ」ことによって情報処理能力資源の配分を誤り,細やかな情報の収集や柔軟な対応に失敗してしまうことにある.(池田,1986)&br;・作業遂行に必要な心身機能を「場面把握」「思考の統合」「作業行動」「感動・情動」の四つの機能にモデル化し、機能別にヒューマンエラーを検討し、質的な違いに注目.&br;・4つの機能での弱点:1.場面把握:見直しができず、ミスに気が付かない、視野が狭まる2.考える余裕がない、判断があいまいなまま作業をすすめる、限られた情報に過度な依存をする3.手順の手抜き、無理な姿勢での作業4。イライラがより強くなる&br;・ヒューマンエラーの分野は、焦りが作業中の緊急事態に限定されている者の、焦りの思考・行動・認知などの様々な要素が同時に考慮された分野.&br;・焦りに関する先行研究:焦りを構成する一側面のみが取り上げられ、結果としてその全体像が見えないという状態にある.そこで西村(2007)は焦りを複数の要素を含む包括的な概念としてとらえる立場を提唱した.&br;・焦燥研究:日常生活で実感される「焦り」と病理的な焦りである「焦燥」との比較検討が重要.&br;・Self-discrepancy理論(Higgns,1987,1994):現実自己と理想自己のの乖離を問題にしており,そこで生じる否定的感情の一つがagitation(動揺)としている.&br;・理想自己:理想自己と義務や責任と関連する義務自己に分類する.&br;・理想自己と義務自己のどちらが現実自己の基準として用いられるかによって、生じる否定的感情が異なると主張.&br;・理想自己を基準:自己の現実が対応していないと考える場合、失意や落胆に関連した感情が生じる&br;・義務自己:不安や恐怖などの動揺に関連した感情が生じる&br;・甲村(1996)は焦りは「行動目標が魅力的な対象であり、そこへの接近欲求が強いような心的事態において、思ったほどには目標接近が出来ない意識が生じ、残された許容時間がいっそうわずかなものに感じられる事態」と定義した.&br:・Self-discrepancy理論を引用して、焦りの発生機序について考えると、焦りは理想自己と現実自己との乖離をきっかけとして、さらにはその乖離が埋められない場合に生じ,それにより否定的感情が生じるだけでなく、その乖離をうめようとする「動き」として力動的に捉えられる.&br;・焦りとは、現実と理想との乖離を契機として、時間の評価が加わり、両者の乖離をうめようとする動きとして生じるものと思われる.(西村,2007)&br;・今後の研究課題:1.焦りに関する一貫した定義がなく、日常生活の焦りは十分に検討されてこなかったため、まずは焦りの実体験に即した定義を確立する必要.2.焦りの定義を基に、焦りを構成する諸要因を特定し、それらがどのように関連し合っているのか、焦りの構造を描き出す研究が必要.3.焦りがどのようにして変化するのか、時間的な流れに沿ったプロセルを明らかにする必要.|・焦り:時間研究の分野(時間的切迫感、時間不安),ヒューマンエラー,焦燥&br;・焦りを構成する諸要因を特定し、それらの関連性や構造の解明が未だなされていないという点において、今後ビデオゲームからその焦りの構造を解明できる可能性が見えてきた.| |西村 詩織|日常生活で体験される焦りのプロセス──成人期前期の焦りに注目して── |心理学研究|80 巻 5 号 p. 381-388|2009| 「あせり」とは、日常生活で感じる「焦り」や「時間の切迫感」の感情状態を指す日本語です。この研究では、成人初期の人々が日常生活でどのようにアセリを経験したかを調査しました。インタビューは、アセリが関係する出来事や状況を思い出した20人の若い成人に行われました。グラウンデッドセオリーは、データの収集と分析で参照されました。結果は、いくつかの競合する考えがある状況でアセリが発達したことを示しました。アセリが変化する過程については、2つのパターンが見られた。(a)アセリが短期間に強く経験されたとき、それは容易に落ち着いた。 (b)長期的にアセリが穏やかに感じられると、徐々に潜伏するようになった。潜在的なアセリのテーマは、青年期に通常達成され、成人期初期まで延期された発達課題を含む、参加者にとって重要であると考えられた成人期初期の発達課題を反映していました。アセリへの影響とさらなる研究の方向性が議論されています。|・本研究の目的:成人期前期の若者に注目し、彼らが焦りをどのように体験しているのか、そのプロセスについて、焦りをどのように体験しているのか、そのプロセスについて、焦りが実際に体験されたエピどーどから、質的に明らかにする&br;・焦りが生じやすい状況:時間を意識する機会、他者を意識する機会、予想外なことが生じる機会&br;・焦り状態の変化:行動面、認知面、感情面、長期的変化が見られる&br;・焦り状態→焦りへの対処→行動面への変化⇔認知面の変化→(状況に結果が伴う)→感情面の変化→長期的変化| 焦りに関する総合的な判断を求める| |森泉 慎吾, 臼井 伸之介, 和田 一成, 上田 真由子 |急ぎ・焦りエラーに関する体験型教育の効果 |労働科学 |94 巻 4 号 p. 99-107 |2019| 本研究では,急ぎ・焦りによって誘発される不安全行動に対して,体験型の安全教育を実施することで態度・行動について安全側への変容が見られるかどうかを実験的に検討した。参加者81名を教育群40名と統制群41名に割り当て,急ぎ・焦りエラーに関する体験型教育を教育群に実施した。教育群は,実施する課題について制限時間を設定することで,急ぎ・焦り状況下にて課題成績が低下することを体験した。統制群は,急ぎ・焦りと無関係な課題を実施した。質問紙にて測定された急ぎ・焦りに関連する態度や行動について,教育前(Time 1),教育直後(Time 2),教育から1か月後(Time 3)での変化を検討した。その結果,統制群はTime 1からTime 3にかけて態度,行動ともに変化が見られなかった一方,教育群はTime 1からTime 2にかけて態度が安全側に変容し,Time 3でも維持される傾向が推察された。本研究の結果を踏まえ,実施した安全教育の有効性や本研究の問題点について議論した。(図4 表1)|・本研究で用いた教育では「急ぎ・焦り状態における人間心理の理解、およびそのような状態におけるパフォーマンスの低下」について、体験を通じて理解させることを主眼としている.期待値として「焦っていても、集中すればミスを防げる」という考えを是正することである.| 制限時間に限定したものではあるが、年齢による有意な差が見られないというところ、年齢を問わず時間的切迫感が高まる.&br;・これは実験対象の年齢層には有意な差が生まれないことを示している.| |深川 知美,日高 三喜夫 |時間不安に関する基礎的研究 : 時間不安場面尺度の作成と強迫傾向・タイプAとの関連 |久留米大学心理学研究,久留米大学大学院心理学研究科|12,66 - 73|2013-03-31| 本研究は,場面に着目した時間不安と,強迫傾向及びタイプAとの関連を検討した。研究1では,多様な場面において生起する時間不安を測定する尺度の作成を目的とし,大学生266名(平均年齢19.3歳,SD=2.72)を対象に質問紙調査を行った。その結果.経過意識,予期懸念,目的未達成の3因子からなる時間不安場面尺度が作成され,十分な信頼性と妥当性を有することが示された。研究2では,作成した尺度と,強迫傾向及びタイプAとの関連を検討し,時間不安が強迫傾向,タイプAに及ぼす影響について検討した。調査対象者は,研究Iと同様であった。各因子を説明変数,強迫傾向及びタイプA得点を目的変数とし,重回帰分析を行った。その結果,経過意識が強迫意識及びタイプAに有意な影響を与えていることが示された。時間の経過を強く意識し不安に感じることが,強迫傾向及びタイプAを強めるといえる。以上のことより,時間経過への不安の程度が強迫傾向及びタイプAを決定付ける重要な要因であることが考えられる。時間経過に対する不安場面への介入が,病的な強迫傾向の軽減及びタイプAの緩和に繋がることが示唆された。|・要約の結論:時間経過への不安の程度が強迫傾向及びタイプAを決定づける重要な要因である.&br;・時間経過に対鵜sる不安場面への介入が、病的な強迫傾向の軽減及びタイプAの緩和につながることを示唆した.&br;・時間不安:時間の経過それ自体を脅威の対象とした不安のこと(Winnubst.J.A.M.1988).&br;・時間不安場面に関する因子分析結果:時間不安を経過意識、予期意識、目的未達成の3領域に細分化した.&br;・時間経過を強く意識し不安に感じることによって、時間的切迫感が生じ、タイプAに影響を及ぼしている.|タイムリミットに対する不安感こそが焦りを生み出し、結果的にエラー(非合理的行動)を生み出している.&br;・しかしながら、本研究は質問紙調査に基づいた相手の心情を交えた条件下においてどのように結果が変わるかは未知数である.| |河村 京子, 美濃 禎久, 難波 正弘 |「焦り」に関する一考察|日本重症心身障害学会誌 |42 巻 2 号 p. 261 |2017| 「焦り」を「時間的切迫感」と捉え対策を講じているが、効果が出ていない現状がある.「焦り」について見直すと、単に時間的切迫感ということだけではなく、認知面や感情面の変化などさまざまな要素が関係しているとも言われている.職場環境を改善していくためには、「時間的切迫感」以外の要因を見出す必要がある.|・焦りの原因は、「時間的切迫感」だけでなく、認知面や感情面の変化など様々な要素が関係していると考えられている.&br;・職場環境の改善のため、「時間的切迫感」以外の要因を見出す.&br;・「アットハット」と「焦り」の有無に関係性がある|時間的切迫感だけでは説明がつかないところに研究の必要性があるという点| |須藤 智|焦り状況下での認知的制御とワーキングメモリ容量の関係 |日本心理学会第83回大会| 83 | 2019| 本研究では,若年者を対象として,ワーキングメモリの個人差とチョーキングによる認知的制御の関係を明らかにすることを目的としたWeb実験を実施した。「焦り」について時間的制約状況を設定,認知的制御としては,十分に学習した目標維持と目標にもとづく行動制御に注目し,ルールベースの認知的制御を要求するカテゴリ学習課題を用いた。| ・ワーキングメモリの個人差とチョーキングによる認知的制御の関係を明らかにする.&br;・正答率の結果からは,ワーキングメモリ容量の個人差に関わらずTP状況がルールベースの認知的制御を妨害することが明らかになった。また,低WM群においてTP状況が有意に反応時間を早める影響が認められた。これは,低WM群は,タイムプレッシャー等の外的刺激の影響を受けやすいという特徴があることが示唆しており,この特徴からは,低WM群は,より難易度の高い課題,より強い外的刺激が与えられた場合は,正答率の低下の可能性も考えられる.|時間的制約と実力(優位性は)何かしらの有意性が見られる可能性があることを示唆している.| |佐藤 弘典・ 西野 順二 |ファジィ推論を用いた心理戦情報提示によるネット配信型野球観戦支援システム|日本ファジィ学会誌 |30 巻 5 号 p. 691-699|2018| 本論文は,野球観戦において,プレイヤの心理戦を観戦支援情報として利用することを提案する.|1.はじめに&br;・野球観戦の初心者でも、打者と投手の心理状態の予想を楽しめるようにする支援システムSBFを構築&br;・プレイヤ同士の心理戦を、視聴者の期待に基づいて推論し、アノテーションとして付与することを新たに提案する.&br;・本稿が扱う選手の心理状態は選手自体の心理というよりもむしろ、各感染者が自らの主観によって想像したもの.あくまでも、観戦者が楽しめるような選手の心理戦の情報提示であり、必ずしも選手が感じている正確な感情心理が必要なのではなく、観戦者からの共感が得られることが重要である.&br;・仕組みとしは、視聴者の主観的状況把握情報と試合の客観情報から、提示するべき選手の心理状態を観戦者知識に基づくファジィ推論で算出し、ラッセル空間を経由してイラストアイコンにより視聴者にアノテーションを提示する.&br;・ファジィ推論について、Zadeh(1965)が提唱したファジィ理論に基づく.ファジィ理論はファジィ集合、ファジィ論理、ファジィ測度を根幹としたシステム工学的な枠組みである.「楽しい」などの人間の言葉に含まれる「あいまいさ」を台集合上で計算機的に実装、実現することができる.&br;2.野球の試合観戦における心理戦&br;・選手同士の心理戦は、観戦者個々の想像によるものであり、実際の選手が何を考えているかという事実とは関係なく想起される.そのような心理戦を補助情報によって楽しませる.&br;・野球における打者と投手の心理戦は、主に投球間隔において行われる.投球間隔とは、投手が投球を行った時点から、一連のプレーの収束とその後のにらみあいを経て、次の投球を開始するまでの時間を意味する.&br;・この時間では、打者と投手は互いの戦術を考えている.つまり、戦術を考える時間が明確に存在することによって心理戦の様相が見えやすくなるのである.&br;・野球観戦者はこの打者と投手の心理状態を勝手に想像して心理戦として理解し、楽しんでいる.&br;・本論文での心理戦とは、この「感染者が各々勝手に想像した打者余投手の心理状態の駆け引き」である.留意しておきたいのは、観戦者が創造したものであり、選手本人の気持ちとは無関係であり、そもそも選手本人たち自身が必ずしも各自の気持ちを各自で把握しているかどうかなどは検証不可能である.&br;3.選手の心理モデル&br;・ラッセル円環モデルはラッセル(1980)が提唱した感情もであるのことである.x軸y軸各軸をそれぞれ「快ー不快」、「覚醒ー眠気」とした2次元平面上で、人の感情を表現するというものである.&br;・本研究では、ラッセル円環モデルを計算的に扱えるよう、分割ラッセル円環モデルに修正して提案、使用した.4.まとめ&br;・心理戦をアノテーションとして提示するシステムは、野球のような比較的時間の合間のあるスポーツにはその間を埋めるために有用であると考える.|・軍事的な心理戦は一方的な印象が強く、プロパガンダに近いといっても過言ではないだろう。一方、野球のような心理戦は打者と投手の間に生まれる心理の攻防を描くものであり、ビデオゲームにおける心理戦に近いものであると考える.| |伊藤 毅志,松原 仁 |将棋熟達者の発話にみる思考と認知 |情報処理学会研究報告. GI, [ゲーム情報学],一般社団法人情報処理学会 |12, 9-15 |2004-06-18| 将棋の熟達者は、どのように将棋を捉えているのだろうか?我々は、これまで、将棋を題材にして、伝統的な認知科学的手法で研究を行ってきた。その結果、棋力の違う被験者間で、認知的な違いが明らかになってきた。しかし、熟達者が具体的にどのようにその卓越したパフォーマンスを示すことができるのかは不明な点が多い。本研究では、将棋トッププロ棋士である羽生善治氏に対して行ったインタビューの発話データから、将棋の熟達者の思考過程、認知過程、学習過程について新しい知見を得ることができた。本稿では、その詳細について述べる。| 内容の詳細メモ| 自分の研究との関連性のメモ| |馬場 章|ゲーム学の国際的動向~ゲームの面白さを求めて~ |映像情報メディア学会誌 |Vol.60,No.4,pp.491-494 |2006| テレビゲームをめぐる多様な観点から、ゲーム学の国際的な動向の整理を行う。とくに、ゲーム制作にとって原理的な問題であるゲームの面白さや楽しさの解明を目指す研究や学説を中心に紹介する。| 1.はじめに&br;ゲーム学とはテレビゲームの面白さ・楽しさについて解明する研究のこととする。&br;2.ゲームの定義&br;・コンピュータとディスプレイとソフトウェアを組み合わせてプレイするゲームをテレビゲームと呼び、また、とくに断らない限り、それをたんにゲームと略称する.&br;3.ゲーム学のアプローチ方法&br;・ゲーム学のアプローチ方法として、NarratologyやLudologyのような分析手法がある.&br;4.遊び学&br;・ゲーム学の源流として、遊び学が考えられる。&br;・J.ホイジンガやR.カイヨワの学説は、ゲームを含めた遊び全体を論じており、遊び学の源流であるとともにゲーム学の源流ともいえる古典的業績である。ホイジンガは人類は遊ぶ人であり、他の動物から区別される人間の行為のすべてが遊びであるとし、カイヨワは遊びの種類をアゴン、アレア、ミミクリ、イリンクスという四つのカテゴリーに類型化した。&br;・M.J.エリスは、遊びをめぐる学説を、古典理論、近代理論、現代理論に整理している.|・直接的な関連性は極めて低いが、ビデオゲームの源流ともいえる遊び学を体系化している点が参考となる。| |酒井 裕 |非合理的行動の背後にある合理的学習戦略 |日本基礎心理学会第30回大会 |31 巻 2 号 p. 187-191 |2013|不合理と思われる動物の行動は、合理的な学習戦略の結果として現れる可能性がある.この論文は、一般的な合理的学習戦略が、3つのタイプの典型的な非合理的行動を再現することを示している.:マッチング法、異時点間の選択行動、および努力によって誘発される価値の上昇.|・マッチング則:動物が行った行動に応じて報酬やバツが与えられるオペラント条件付けにおいて,動物はしばしば得られる成果を最大にする選択行動に至らないことがある.その中には再現性の良い法則を見出すことが出来る場合があり,マッチング則はその一例である.→非合理的行動が行われることへの追求は過去の研究でも行われていた.&br;・要約&br;1.マッチング則&br;2.遅延報酬と選好性の関係&br;目先の小さな報酬を好む傾向あり&br;遅延報酬&br;繰り返し試行の遅延報酬選択課題が用いられる(Mazur&Biondi,2009)。&br;3.かけた労力による価値上昇&br;労力をかけたものほど達成感が大きい&br;労力をかけたものがそれほどの価値がない とすると,自分の経験に不協和が生じてしまうので, その不協和 を 解 消 す る よ う に 主 観 的 な 価 値 を 高 め て し ま うの で はな い か (認 知 的 不 協 和 の 解 消 ), と 解 釈 さ れ て い る(Festinger1962 )&br;Zentall(2010)は,労力をかけ,負の報酬を得ているような状態から, 餌が得られるとい う正の報酬へ のコントラス トが大きい ほ ど卞観的価値が高まる,という解釈をしている&br;4. 報酬最大化の枠組とTD 学習&br;客観的な獲得報酬量を最大化していないよ うな非合理な行動として, よく知られた3種類の例を紹 介した。これらの非合理行動は,実は生存のために意義 あ る共 通 の 合 理 的 な学 習 戦略 か ら生 じ る こ と を突 き止 め た。 得られる報酬をより多くし,失うコ ス トをより少なくする,とい うのは,生存のために必要な機能である.&br;確立均配法の無限積分(どのくらい過去まで依存性が残っ てい るのかを推定することは,困難であるため,勾配(4)をその まま推定することは困難である。)を回避するために強化学習で最も一般的に用いられてい るのはTemporal Difference(TD)学習で あ る。 &br;時刻tで反応aを行っ た後,得られた感覚刺激の推定価 値で ,それ以降の 無限積分を置き換える方法が TD 学習である。&br;一体,過去の経緯の何に注目すればい い のか,動 物が常に見つ けられるとは限らない。つ まり,TD学習 には限界が存在し, 適切な情報に注目し, その価値を学 習しなければ,TD学習は報酬最大化に失敗する.&br;5.結論&br;つ まり,動物の学習システムは,TD学習によっ て報酬最大化を目指してい るが,TD学習が成立するような状況の区別ができずに,報酬最大化に失敗した状態が マ ッ チング則である,とい う理解が可能である.&br;獲得報酬を最大化するための学習戦略は, 生物が生存 する上で合理的である。 しかし,どんな環境でも報酬最 大化に 成功するような学習は一般に困難で ある。その 要 因の 1つ に期待報酬の勾配に表れる無限積分 (4)が挙げ られる。 この要因を回避するための効率的な方法の 1つが TD 学 習 で あ る 。 し か し, TD 学 習 も 万 能 で は な く, 価値を学習すべ き情報を適切に選ぶ ことがで きなければ,報酬最大化に失敗するこ とになる。マ ッチング則や 遅延報酬に対する選好性は,TD学習による報酬最大化の失敗として再現される。| 非合理的行動の背景にある合理性を示した一方で,それらは限定的であり現実世界では焦りといった原因による非合理性への可能性を示した.| |関川 靖|消費者の非合理的な行動に関する考察|名古屋文理大学紀要|6 巻 p. 51-61|2006|消費者は,基本的には標準的な経済理論の前提条件である所得制約・時間制約に従った合理的な行動をとるが,日々の生活における経済行動を考えると必ずしも合理的な行動をとっていないケースもある.このような消費者の非合理的な行動を,標準的な経済学によって分析することは困難であった.この非合理的な行動の分析は,経済学に心理学を導入した研究によって行われるようになった.そして,この研究は1980年代に活発化し,理論の精緻化が進み「行動の経済学」と呼ばれるようになった.本論文では,この行動の経済学が消費者の現実の経済行動を説明できるかどうかを検証するとともに,マクロ統計上に非合理的な行動が現れにくい要因も考察する.|1.消費者による意思決定に潜む非合理的行動&br;消費者の経済行動における意思決定は,標準的な経済学(新古典派の経済学)が示すように,必ずしも合理的に行われているのではなく,非合理的な行動をとることもある非合理的行動に関する先行研究Simonの限定合理性や経済学に心理学を導入し,標準的な経済学における消費者の意思決定の重要な基準である効用に変わり,価値を用いて分析された.この研究は,Ktena.AやMaslowA.H,MitchellAらが著名である.さらに理論の精緻化が進み,TverskyA,&KahnemanD.はプロスペクト理論を示し,そしてThalerR,は「メンタルアカウント(心理的財布)」を用いて消費者の消費・貯蓄行動における非合理性の存在を明らかにしてきた.換言すると,消費者行動のアノマリーとして消費者の非合理的な行動に社会的・感情的な要因が作用していることを示し,その後価値関数を用いて消費者の満足度が説明され理論の精緻化が進んだ.消費者の合理的な行動基準と非合理的な行動基準を示した後,このTverskyA.&KahnemanD.やTha王erR.の理論を用いて現実の消費者の非合理的な行動を検証する.そして,消費者の行動全体における非合理的な行動の位置づけも併せて考察する.&br;2.消費者の行動に対する問題提起&br;消費者の経済行動は「消費・貯蓄・労働用役の提供」の3つである.ここでの分析は,貯蓄行動と消費行動が表裏一・体の関係にあることから,両者における意思決定を分析する.尚,「労働用役の提供」を今後の研究課題とし,本論文では取り扱わない.貯蓄行動は,時間制約の下で家計が効用最大化に従い行動していることを前提にしている.すなわち,現在消費と将来消費の価値を比較し,いわゆる時間選好率である消費の利子率と市場利子率とを比較検討し消費貯蓄量を決定しているのである.また,逆の見地に立って考えると,借り入れが出来ない世帯である流動性制約下の家計は,所得制約が強くなり所得の範囲内でしか消費・貯蓄行動を採らざるを得ない.よって,消費者は基本的には合理的な行動をとっていることになる.一方,消費決定論は,貯蓄決定論と同様に活発に議論が繰り返された.消費者は高額な耐久消費財や不動産を購入するケース以外,所得水準を超えた消費行動をとることは非常に稀有であると考えられることから,所得制約に従った行動をとっていると判断しても大意的には問題は無く,消費者は合理的な行動をとっていることになる.しかし,現実には家計の経済行動は,上述の理論では説明しがたい行動もある.他の先進諸国に比較して高い貯蓄率を維持している.消費関数論争でも議論された相対所得仮説のうちの空間的相対所得仮説のデモンストレーション効果は,消費は所得でも平均的な人々の所得の関数となっており,「平均志向」という社会的要因が背景に存在し,消費は単純な所得の関数であると言い切れない.わが国では,この効果が顕著に作用している.例えば,抽象的であるがほとんどの消費者が少なからず経験し,「友達と同じものを持ちたい」,「お隣さんと同じものを所有したい」という所得ではなく,中流意識,平等意識が強く作用した消費行動を家計がとる傾向があり,このような消費行動は非合理的行動と言える.さらに,私たちが消費行動をとった後,後晦するケースが多い衝動買いも非合理的な行動である.家計は基本的には合理的な行動をしているが,貯蓄行動ないしは消費行動には,アドホックに非合理的な行動もとるという両面を持っていると考えている.&br;3.行動の経済学における消費者の意志決定分析&br;所得制約・時間制約に従って行動しない非合理的な家計行動は,標準的な経済学が示すように消費は所得の関数であるという概念に縛られず,社会的要因や感情的要因が意思決定に作用していると考えられる.&br;4.メンタル・アカウント&br;消費者の意思決定のアノマリーにとして,Thaler,R.は消費者が心理的財布を支出項目ごとに持ち,その支出項目に応じて心理的財布の使い分けをしていることを示した.消費者は必ずしも標準的な経済学が前提とする所得制約・時間制約に従った合理的な行動をとっているのではなく,社会的要因・感情的要因が作用した意思決定を行ない,非合理的な行動をとっていたと思われる.例えば(Thaler,R1985)は,標準的な経済学が示す合理的な消費者ならば,チケット紛失のケースも現金紛失のケースも同じ$ユ0の損失であり,さらに$10払って映画を見るかどうかという意思決定は,消費者にとってのその映画から得られる効用の大きさと所得制約に依存することになるので,どちらの質問に応じても同じ回答数が結果として出てくるはずである.よって,このような実験結果は,総合評価では無く各々のケースに於ける評価に従い,心理的財布を使い分けていることから,消費者は非合理的な行動をとることになる.&br;5.現在重視型の割引関数(貯蓄率小)VS待つことの楽しみ(貯蓄率大)&br;標準的な経済学では,時間の割引関数は時間経過に従い小さくなるという指数型の割引関数となるが,行動の経済学では実験結果により割引関数は現在に近いほど大きく,ある一定水準から逓減するようになる.すなわち,現在の消費から得られる効用に対する評価が大きく「現在重視の消費行動」になる傾向がある(図2を参照)(多田2003).これは,非合理的な行動である衝動買いの行動を説明することも可能であり,相対所得仮説のデモンストレーション効果を促進させる要因も説明可能である.デモンストレーション効果は,標準的な人々の所得水準からの消費量が決定されることであるが,換言すると皆と同じ耐久消費財を保有したいと言う気持ちが非常に強く,購入時期が遅れるとその消費行動から得られる効用は小さくなるので,「現在重視の消費」を実践することになり過剰消費の危険性を孕み合理的な行動とはいえない.&br;6.プロスペクト理論&br;この理論はThersky,A.&Kahneman,Dによって考案されたものであり,購買行動における消費者の満足度を示す手段を標準的な経済学の効用関数を用いるのではなく,ある基準点を参照点(referencepoint)とし,ここからどれほど乖離するかによって財・サービスから得られる価値が異なるという考え方に立脚して消費者の満足度を価値関数でもってあらわした.フレーミング効果といい,参照点が異なれば同じ事象であっても消費者行動は全く逆の意思決定を行うことがあり,消費者の行動は非合理的なものになる(Tversky,A.&Kahneman,D.1979,1992).消費者は必ずしも標準的な経済学が前提とする所得制約・時間制約に従った合理的な行動をとっているのではなく,社会的要因・感情的要因が作用した意思決定を行ない,非合理的な行動をとっていたと思われる.&br;7.非合理的行動とマクロ的整合性&br;換言 す る な らば , 「現 在 消 費 の 重 視 」 とい う非 合理 的 な 行 動 を 確 か に 消 費 者は 持 っ て い る が , 基本的に は 所 得制約や時間 制約 に 従 っ た合 理 的 な 行 動 を 前提 と した行 動 を と り,非 合理 的 な行動 が ア ドホ ッ ク に生 じて い るな らば ,非 合理 的 な行 動 の 後 の 消 費者の 意思 決 定 は強 い 意 味で の 合理 的 な 行 動 を とる よ うな 意思 決 定 を し,非 合理 的 な 行 動 が 埋 没 され マ ク ロ デ ータ へ の 影響 と して 現われ な か っ た と考 え られ る .また ,待 つ こ との 楽 しみ (貯 蓄 )や フ レ ー ミン グ効果 が 作用 して い るの で あれ ば , 合理 的 な 行動 が 非合理 的 な行 動 を相 殺す る し,さ らに 非 合理 的 行動 間に お い て 相殺的な 意思 決定 が あ る こ とか ら, マ ク ロ デ ータへ の 影響 は 微 細 な もの とな る と考 え られ る.以 上 の こ とか ら, 事象に よ るマ ク ロ デ ータへ の 影響の 大 き さの 差 異 を もた らす 要 因 を 今後 検 討 しな けれ ば な ら な い が , 消費者は 経済行動 を とる 際 に は 複雑な意思 決 定 を行 な っ て い る と考 え られ る こ とか ら,非 合理 的 な 行動の マ ク ロ デ ータ へ の 影響 は 明 確な も の で は な く, こ の こ とが 経 済 学 に お け る 消費 者 の 行 動分 析 の 発 展 を 妨 げる こ と に な っ て い る と考 え られ る .&br;8.まとめ&br;非合理 的 な行 動 は実 際 に 消費 者 の 行動 に お い て 生 じ て い る が , 基 本的 に は 合理 的 な 行動 を と り,そ し て 非 合理 的 な行 動 を とっ て もそ の 後相殺的な意思決定 も行 うケース もあ り, 消 費 者行動 の 全 体を通 じ て 合 理 的 な 行 動 の 制約 条 件 内で , 消 費 者 行 動 が 行わ れ る よ うに 消 費者 が 自ら調 整 し て い る と思 わ れる .よ っ て , 消費者の 行動の 全 体 とすれ ば 合 理 的 な 行 動 に な っ て お り,マ ク ロ デ ータに は非 合 理 的 な 行動 が 現れ に くい と考え られる .但 し , 事象 に よ りマ ク ロ デ ータへ の 影 響 度 が 異 な る こ とに 関 して は今 後 の 研 究 が さ らに 必 要 で あ る .|先行研究:非合理的な行動が心理的な要因で行われることは示唆されている&br;→&br;自分の研究:では、ビデオゲームにおける心理戦の状況下において心理的な要因は非合理的行動を強化しうるのか| |作田誠|不完全情報ゲーム研究の現状 |情報処理学会|44巻9号916 - 920|2003-09-15| 不完全情報ゲーム研究の動向を以下の内容でレビューする.まず不完全情報ゲームがどういうものかを説明した後,研究の意義と重要性について触れる.次に研究手法として,ゲーム理論によるもの,相手モデル化によるもの,論理プログラミング,シミュレーションや探索を主体とした手法,完全情報問題として解く手法などを紹介する.最後に,スクラブル,ポーカーやブリッジ,麻雀,衝立将棋を始めとする主要な問題領域における現状と展望を示す.また新しいゲームであるDI将棋についても言及する.|・不完全情報ゲーム:プレイヤにプレイする上で重要な何らかの情報が隠されているゲーム.&br;・不完全情報ゲームの研究の意義:人間のそぶりを理解できるようにする.&br:・技術戦・先読み,心理戦・欺き,情報戦,相手モデル化&br;・不完全性が小さい領域:技術的要素が強い,先読み要素が重要.&br;・不完全性が大きい領域:心理戦の要素が強い.ゲーム理論や相手モデル化が重要となってくる.&br;・相手モデルによる推論,大事(相手の行動を予測した行動)| 不完全性が強いほど心理的要素が強まる.実験における心理的要因が弱いという結果となれば,これが関係していると考える.| |佐藤 賢太, 林 篤司, 岩下 志乃 |不完全情報ゲームにおける初心者サポートシステム|日本知能情報ファジィ学会,第31回ファジィシステムシンポジウム|219~222 |2015| 本研究では,不完全情報ゲームにおける初心者に対して,駆け引きなどの心理戦術を習得するためのサポートシステムを開発する.ゲームには「BLUFF」というボードゲームをサーバ-クライアントシステムにより実現したものを使用する.サポートシステムは現在の状況と,そこから分かる確率的な情報や,打つ手の案を提示することにより,状況に応じた戦術を学べるものとする.|・プレイヤ同士が対戦を行うテーブルゲームには,「完全情報ゲーム」と「不完全情報ゲーム」がある.&br;・.不完全情報ゲーム:運の要素や把握できない情報がある.(どのような手を打てば勝つ確率が何%あがるのかという計算をして答えをだす.)&br;・BLUFF:不完全情報ゲームにおける対戦型テーブルゲームの一つ.&br;・駆け引きなどの,心理戦を教えるサポートシステムの開発を行う.|不完全情報ゲームであるからこそ,生まれる心理戦であると暗に示している.| |著者 |タイトル |発表場所や出版社 |掲載ページ 23〜56など(もしくは全体ページ数) |発行年| 内容の簡潔なまとめ| 内容の詳細メモ| 自分の研究との関連性のメモ| |著者 |タイトル |発表場所や出版社 |掲載ページ 23〜56など(もしくは全体ページ数) |発行年| 内容の簡潔なまとめ| 内容の詳細メモ| 自分の研究との関連性のメモ|