20_Ishida

研究の概要

   人と音楽聴くときの高揚体験をユビキタスに再現する

研究タイトル

   リズムを感じる心を持つエージェントの提案

研究キーワード

研究は何を目指すものか(目標)

   エージェントと人との間に音楽的高揚体験を再現することで新しい音楽体験を提案する

この研究がうまくいけば何が実現するのか(将来、可能性、応用など)

   仮想空間ライブでの音楽体験の充実、共感作用によるストレスコントロール

この研究の新規性・新奇性

   エージェントに音楽的感情を生成することで音楽を感じる心を持つエージェントを提案する

この研究の有用性

   音楽療法を日常で誰もが利用できる汎用性のあるものにすることができる.
   仮想空間上での音楽体験において,高揚感の伴う充実度を高める可能性がある.

目指すシステムの形(どういう入力でどういう出力があるか。何ができるか。)

   fig2.jpg
   現時点ではPureDataからのリズム入力によるリズムデータからエージェントのリズム予測を実装.
   エージェントは予測と実際のリズムの間に感じるギャップによる快感情や興奮感情を表情やリズム感覚として出力する.
   今後は,スコアのある音楽データの入力により,汎用的にエージェントを動かすことができることを目標にする.
   また,リアルタイムな人間の感情によってエージェントの感情が変わる双方向的なインタラクションを目指す.

システムのターゲットユーザ

システムの活用シーン

   音楽療法は主にカウンセリングや治療に利用されるため、敷居の高さを感じる人が多い。
   音楽療法を汎用的に利用できるようになれば、日常生活における疲労回復やマインドを簡単にコントロールでき、より快適な日常生活を送ることができる。
   日常的に独自で活用できる音楽療法システムを考える。
   また,仮想空間上のライブ演出や演奏体験などで活用できるシステムを目指す.

Reserch Question

RQ.png

poster

fileposter.pdf

研究トピック(議題)整頓

研究ノート

最近の計画

研究計画書

冬休みの課題目標

後期終了時の課題目標(1月まで)

春課題

春休み進捗報告

春休み研究進捗

ゼミのログ

卒論

文献ノート

GoogleDocsのSheets閲覧可能

著者タイトル発表場所や出版社掲載ページ発行年内容の簡潔なまとめ内容の詳細メモ自分の研究との関連性のメモ
西田祐介 間島幸絵音の拍子の違いがヒトの自律神経活動および心拍数に与える影響リハビリテーション科学ジャーナル75~812006拍子による副交感神経の働き度合い拍子の違いが自律神経系に与える影響について心拍変動を用いて検討。全ての拍子で副交感神経系活動を表す高周波成分(HF)が安静時と比べ増加。三拍子の聴取により心拍数が優位に減少。三拍子は他の拍子に比べ、副交感神経の活動を促進焦る特徴を持ち、生体調整に与える効果が大きい。拍子からも感情のコントロールが可能なことがわかる。覚醒度を高めるには三拍子よりも四拍子二拍子などの拍子の方が最適
黒瀧悠太 椎塚久雄音楽のリズムパターンから受ける感情の評価第52回自動制御連合講演会論文集4ページ2009リズムパターンによる感情の変化リズムパターンが感情を変化させることが明らかになった。二種類の打楽器により生み出されるリズムパターン15種類をMIDI音を用いて作成。BPM60,120,180それぞれ、リズムパターンが持つ感情性格について聴取による評価を行っている。同じテンポ、音の強さ、拍子が同じでもパターンによって感情が変化し、軽さという感情はテンポで決まっているわけではない。高揚感はBPM120以上が最適。荘厳の感情価はBPMが低い方が高くなる。親和性はBPM180では感じにくい。強さの感情はBPM180が最適に表現できる。リズムの持つ潜在的な感情価の利用
福田正治共感と感情コミュニケーション(I)研究紀要/富山大学杉谷キャンパス一般教育[編]45~582008情動的共感と認知的共感共感が感情コミュニケーションだとすると、共感は感情の特性から 2種類の情動的共感と 認知的共感に分けられることを唱えた。情動的共感は脳の神経回路と直結したもので、全ての人 に共通に起こる生理学的プロセスである。一方の認知的共感は人間の生き方の縮図で、経験と教育の結果による状況依存的である。共感のメカニズムを感情特性からアプローチしてある。共感という曖昧な概念を詳細にする。
下泰輝、田中宏季、吉野幸一郎、中村哲同時計測されたEEG信号からの2名における感情共有の測定第33回 人工知能学会全国大会論文集4ページ2019二者間での感情共有を脳波で測定可能二者間の脳は信号を記録。喜びの感情において,ガンマ周波数帯において有意な二者間の相関が見られた。そのほか,悲しみの感情においても,有意傾向が見られた。また、感情共有が生じている時、送信者のチャンネルと受信者の後頭部に位置するチャンネルの相関関係が見られ、Global efficiencyが高まる傾向が見られた。これより,共感を,二者間の脳波の関係性から計測できる可能性を示した。脳波を計測することで共感を測定できることが明らかになったが、喜び・悲しみ・無感情しか測定されておらず、実験データが少ないため、有意な結果とは言い難い。
井上裕章ジャズの「ノリ」を科学するアルテスパブリッシング174ページ2019遅れ値、ハネ値、裏拍値、タイミング値からリズムを分析。チャーリー・パーカー「後ノリ革命」の秘密をあざやかに解明してある。「ノリ」の感覚を数値化・分析した画期的なジャズ研究。スウィングからビバップ、クール、ハードバップに至るジャズの巨匠たちの演奏をコンピューターに取り込んで、リズムのズレと一致の法則を発見。ミュージシャンや時代による8分音符のタイミングのちがいを数値化・視覚化することによって、モダン・ジャズを創ったC・パーカー「後ノリ革命」の秘密をあざやかに解明。さらにその8分音符タイミングの変遷をたどり、ホーキンス、ヤングからパーカーへ、パーカーからマイルスへと橋渡しされてきたジャズ発展の歴史を解明。人それぞれに前ノリ、後ノリ、ハネ、遅れ、裏拍などのタイミングに好みがある。興奮に対する刺激度合いは人それぞれ。また、リズムにより横揺れしたくなる演奏をする人、縦ノリしたくなる演奏をする人がいる。
川崎真弘 山口陽子人-人と人-ロボットの交互発話時の脳波リズム同期第30回日本認知科学会大会518~5222014発話コミュニケーション課題を遂行する2名の被験者の脳波を同時計測し2者の行動リズムの動機を導く原因を探る発話コミュニケーション課題を遂行する2名の被験者の脳波を同時計測し2者の行動リズムの動機を導く原因を探る。人to人の場合、発話リズムと脳波のリズムは二者間で同調し、両者で相関した。このことから、発話リズムが同期する二者では脳波リズムも同調することがわかった。また、人toロボットから、一定のリズムで発話する機械よりも人間特有の揺らぎを持ったリズムに人間は同調しやすいことがわかった。脳波リズムは主にθ波α波が顕著に相関を示した。これらの脳波はワーキングメモリに関係する。よって、交互発話には他社のリズムを保持して予想するメカニズムが働いていた可能性が示唆された。リズム視聴時の脳もα波θ波が顕著な相関を示せば、リズムを予測するメカニズムが働いていると言えるのではないか
小川妙子 篠田侑大音楽聴取時における歌詞の有無と共感性が感情変化に及ぼす影響東海学院大学紀要31~382016音楽聴取時に共感性の程度が異なる聴取感において楽曲の歌詞の有無が感情変化に及ぼす影響について音楽聴取時に聴取者の共感性の程度によって楽曲の歌詞の有無が感情変化に及ぼす影響が異なるかを明らかにすることを目的としている。結果、歌詞の有無が音楽聴取後の感情4因子に影響を及ぼすことが明らかとなった。高揚と軽さにおいては歌詞なしの方が感情価が高く、親和性と強さにおいては歌詞ありの方が感情価が高い。共感性の高さは親和においてのみ効果が認められ、歌詞の有無にかかわらず親和的感情のみに影響する。共感性を構成する要素の中でも想像性が親和に正の影響を及ぼし、楽曲ありの時のみ軽さに負の影響を及ぼしたことがわかった。したがって、想像性の高い人ほど親和感情が高まりやすく、他者指向的反応が高い人ほど楽曲を重く感じる。共感性は歌詞の有無にかかわらず生ずる。また、親和的感情と共感性が相関関係にある。
松田じゅん子音楽の気分誘導効果に関する実証研究〜人はなぜ悲しい音楽を聴くのか〜教育心理学研究 50巻1号23~322002音楽の気分誘導効果について悲しい時に聴く音楽の性質や, 聴取前の悲しみの強さと音楽の感情的性格による悲しい気分への影響について。悲しみが強い場合ほど, 暗い音楽を聴く傾向が示され, 悲しみが強い時に悲しい音楽を聴くと悲しみは低下するが, 悲しみが弱い時に悲しい音楽を聴くと悲しみが高まる, または変化しないことが予測された。音楽聴取後の悲しい気分は, 音楽聴取前の悲しみの強さにかかわらず, 聴いた音楽によって, ほぼ一定の強さに収束した。結果的に, 非常に悲しい時に悲しい音楽を聴いた場合, 音楽聴取後の悲しい気分は低下し, やや悲しい時には変化しないことが示唆された。つまり, 悲しい音楽は, 悲しみが弱い時には効果を及ぼさないが, 非常に悲しい気分の時に聴くと悲しみを和らげる効果があり, 状況によっては気分に有効に働くことが推察された。音楽により、気分を収束させる効果が認められた。怒りや悲しみの感情の際には覚醒レベルを上げることで気分を収束させるように調整していることが考えられる
大山訓史 今井篤 安藤彰男 谷口高士音楽聴衆における「感動」の評価要因 〜感動の種類と音楽の感情価の関係〜情報処理学会論文誌 vol.50 No.31111~11212009感動という観点からの音楽の評価人の好みや感性を考慮して音響システムを評価するために,体験のすばらしさを表現するときに しばしば用いられる「感動」という言葉を用いて評価尺度を検討。心理 実験を行って感動を表現する言葉(感動語)を分類。感動という言葉で表現される心理 状態が一意ではないことを示した。分類した感動語から感動評価尺度を作成し,音楽 聴取における感動を評価させた。結果,感動の評価値が同程度であっても,楽曲によって感 動評価尺度の評価の傾向は異なり,音楽によって喚起される感動の種類も異なることがわかっ た。また,同じ楽曲を評価した場合に,感動を大きく受けた評定者とあまり受けなかった評定者 の評価値の差は音楽の感情価測定尺度よりも感動評価尺度で顕著であること,感動の評価値は感 動評価尺度の評価値の重み付き線形和で近似できることなどがわかった。感動は「曲の好み」や「期待や関与」に起因する。
大島康 森大毅 中村真表情の変化速度がアバターの感情表出の自然性に与える影響HAIシンポジウム20081E-32008表情変化速度の自然性人対人の日常的な対話における感情状態を反映する表情を対象にする.人間が実際のコミュニケーションにおいて表出する感情や意図,態度などの情報をアバターに表出させることを可能にするため,より人間らしいインタフェースを目指す.本稿はアバターの表情による感情表出の自然性を高めるため,表情の変化速度に着目.日常的な発話における感情状態と変化速度との関係を明らかにする発話による感情変化はある程度の長さ(800ms以上)を持って初めて生まれる.また,快不快覚醒非覚醒に関して,快・覚醒状態は87-175ms程度の表出時間を持って変化すると自然.さらに,顔の動作は線型的な変化でなく表出動作の完了近くになるにつれて変化量が減少していく.
川嶋宏彰 西山正紘 松山隆司表情譜:顔パーツ間のタイミング構造の記述とその自動獲得情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] 149巻179~1862005-05-12表情変化を顔パーツごとに分析し表情譜に起こす顔を独立した動きが観測される顔パーツの変化を静止状態もしくは収束性の運動を行う時間範囲(区間)を単位として表す.そして,顔パーツ間の運動タイミング,顔パーツの区間の間の時間関係を用い表情をより詳細に理解する枠組みが表情譜として提案されてる.顔画像系列を入力として表情譜を自動獲得する手法について,また表情譜の表情理解における有効性を意図的・自発的な笑顔を対象として評価した顔ごとのパーツの動くタイミングをエージェントに取り入れることができれば,より人間の自然な表情変化をエージェントに再現でき,より緻密な人間の感情変化を狙うことができる.
織田朝美 向田茂 加藤隆表情の瞬間的変化の認知認知心理学研究第3巻第1号1-112005ベースの各表情から瞬間的に挿入表情に変化しまたベースの表情に戻った場合どのくらい人間が認知できるか、また認知するのに必要な時間について単一の動的表情の認知ではなく,ある表情から別の表情へと瞬間的に変化し,また元の表情に戻るという瞬間的な表情変化の認知について.瞬間的な表情変化の知覚が変化前後の表情によって影響を受けるかどうかも含めて好意度評定を行い,情動的な課題と挿入された瞬間的な表情の分類という認知的な課題とでは瞬間的な表情変化に対する処理が異なるかについて検証されている.Neutralな表情から覚醒度の高い笑顔の表情への瞬間的変化には少なくとも200msかかる.エージェントの覚醒状態の高まりは少なくとも200ms以上提示しておかなければ,エージェントの興奮状態を読み取ることは難しい.
石橋ともみ 田中一晶 小林賢一郎 岡夏樹対話エージェントの合成音声への視覚的/音楽的感情表現付与による人間らしさの強化ヒューマンインタフェース学会論文誌22巻3号305-3162020音声対話エージェントの感情付与.エージェントに音楽的感情付与した場合のユーザの印象評価現在の音声対話エージェントは平坦な合成音声のみで人と対話するものが多い.本論文では,平坦な合成音声を扱う対話エージェントに表情を付与した場合,表情によってユーザの受け取るエージェントの感情的印象評価は変わるのかを扱う.また,平坦な合成音声にBGMやSEを付与した場合のユーザの印象評価,合成音声に抑揚をつけ感情的な合成音声にした場合の印象評価,平坦な合成音声に擬態語やオノマトペを用いた場合の印象評価をそれぞれ分析している.音楽が感情に影響することが示唆された.また,エージェントは人の感情を模倣するだけでなく感情が伝わりやすいように誇張することがエージェントの「人間らしさ」を高める上で有効であるかもしれないことがわかる.
松原正樹 狩野直哉 寺澤洋子 平賀瑠美聴覚障害者向けタッピングゲームにおける視覚手がかりによるリズム認知の短期的学習効果情報処理学会論文誌第57巻第5号1331-13402016-05-15聴覚障害者に向けてタッピングゲームを用いた視覚的手がかりでリズム教育を行った聴覚障害者向けタッピングゲームにおける視覚手がかりがリズム認知能力の短期的学習効果をもたらすことについての検証.その結果,視覚手がかりのある条件においてタッピング成績が増加した.また,視覚手がかりのある条件のうち難易度が低い楽曲ではタッピング成績の増加が示唆された.Dynamic Attending Theoryによれば人間の注意は動的に変化し,拍のように周期性を持つ場合は徐々に拍のタイミングで注意の時間分解能が高まっていく.タッピングゲームにおける視覚手がかりにおいても周期性を持って正しい拍をガイドしたため聴取者の音への時間分解能が高まり拍と関連のある部分の音だけに集中できるようになった効果が示されている.
林原理恵 尾田政臣和音進行の複雑さが快感情に及ぼす影響映像情報メディア学会技術報告第33巻第17号5-82009-03-18和音の複雑さが感情に与える影響を谷口の最適複雑性モデルに照らし合わせて検討,また,繰り返しによる快感度の上昇の調査和音進行における複雑さが快感情,好悪,情動に与える影響についての調査.長調・短調について複雑さの異なる3種の和音進行を12回繰り返し聞かせ,11種の評定項目について評価.1回目の聴取後の評定では複雑さが低いものが最も快感情が高い.しかし,これを繰り返し聴取すると複雑さが高い条件でも評定値が上昇し,その差がなくなった.「悲しい」「楽しい」などの他の情動については複雑さの高低には影響されないもの,複雑さが高くなるにつれて長調においてのみ評定値が減少するものなど,情動の種別によって異なる結果を示すことが明らかになった.和音の複雑さを音楽としての複雑さと捉えた場合,予測とリズムのギャップがあまりにもかけ離れたら快感情は低くなることが考えられる.リズムの複雑性の検討(聴取者にとって何が複雑か)の検討が必要であることが考えられる.→谷口の最適複雑性モデルの検討が必要
榊原彩子音楽において期待からの逸脱が情緒的反応に及ぼす影響教育心理学研究第41巻3号254-2631993音楽的価値を期待からの逸脱度を媒介変数として測る音楽の聴き手に喜び,感動,快さなどの音楽的価値を生み出す。音楽的価値を媒介する変数を音楽における「期待からの逸脱」と仮定し,聴き手のポジティブな情緒的反応に影響を及ぼしているのか,また影響しているとしたらどのような関係なのかを検証している.結果,「快さ」に代表されるパターンは適度な期待からの逸脱度で最大になり逸脱度がそれ以上になると減少.一方「面白さ」に関しては期待から逸脱すればするほど高い評価となった.自分の研究テーマにものすごく関係のある論文.再度何度も確認する必要あり.この論文の参考文献もあたる.期待からの逸脱が音楽的感情刺激を与える要素であることがわかった.リズムの適度な期待からの逸脱度を検証する必要がある.面白さを優先すべきか快さを優先すべきかも検討しなければならない.
森数馬 岩永誠音楽による強烈な情動として生じる鳥肌感の研究動向と展望心理学研究第85巻第5号495-5092014鳥肌感が生起するメカニズムを心理学,生理学,神経科学から分析強烈な情動研究への理解を深めるため,鳥肌感がどのような心理生理反応をもたらし,またどのようなメカニズムで生じるのかに関して主に音楽により生じる鳥肌感について研究した心理学,生理学,神経科学などの研究成果を包括的にレビューした論文.鳥肌感に伴う快情動と報酬に関わる脳活動は音楽に深く関わるとともに新奇な芸術価値を見出すことや鳥肌感を喚起する音楽への接触頻度,音楽展開の変化に対する期待との逸脱の処理が起案系する.心理覚醒については音が大きく高くなること,副交感神経活動の停滞により情動を制御しにくいこと,音楽に没入することや集中力を持って聴取することが影響する可能性がある.悲しみの情動には音が粗くなることで不協和音および音が高くなることや親和度が関係するかも.覚醒度の持続時間と快感度の持続時間の違いからAgentの覚醒度と快感度は別物として考えた方がいい。特定の音楽ジャンルが鳥肌感を生起する訳ではない.だからこそ音楽を構成する要素に着目することの正当性を裏付けることができる.鳥肌感を感じやすい音楽的特徴は要チェック.
榊原彩子音楽の繰り返し聴取が快感情に及ぼす影響 -リズムパターンの冗長性とハーモニーの典型性-教育心理学研究第44巻1号92-1011996繰り返し聴取による快感情が変化するのはどのような時か一般的には聴く回数が増すと快感情が増すと言われているが,全ての曲で一様に繰り返し聴取によって快感情が増すわけではない.繰り返し聴取によって快感情の変動を考えるには不確定性が最も重要な刺激要因になると言われている.本論文ではこの不確定性には二種類あり,一つはリズムパターンの冗長性(何種類のリズムを扱うか),もう一つはハーモニーの典型性(どれだけ期待から逸脱した転調を行うか)であると定義づけていく.それぞれの不確定性を操作することにより快感情がその後の繰り返し聴取によってどのように変化するのかを観察する.リズムパターンの冗長性で不確定性が高かったものは快感情が繰り返しによって大きく向上した.その一方,リズムパターンは冗長なものの聴き手が抑制できないような普遍の構造ルールから逸脱しているという意味で不確定性が高かったものは繰り返しの影響をほとんど受けないことがわかった.
寺前典子音楽のコミュニケーションにおける内的時間とリズムをめぐる考察 -シュッツの音楽論およびフッサール現象学からのアプローチ-現代社会学理論研究第3巻59-712009音楽聴取時の身体同調動作が身体テンポや内的時間を共有することによって成立するシュッツが論じた内的時間とは何かをフッサール現象学で補完し明らかにした.さらに,音楽聴取時の身「リズム」を介した身体同調動作の構造を楽曲のリズムと生命現象のリズム(身体テンポ)との協働によって生じることを明晰化した.音楽コミュニケーションはリズムの協働と内的時間に広がる把持的意識の織物(曲の流れの内にある演奏中の奏者は把持的意識にこれまでの演奏を保持しつつ演奏しているが聴き手にも同様にそれが生じている.演奏者と聴き手は曲の流れに没入してそれを最初から最後まで経験しさらに作曲家とその思惟を共有する)を他者と共有することをもとに成立する.音楽聴取時の身体同調動作が身体テンポや身体リズム(息遣い等)によるもの,また主観レベルでの「内的時間」が他者の主観と結びつく(内的時間の共有)のは把持的意識を共有することや身体リズムを感じ合うことによるもの.把持的意識(曲のフレーズを感じるような意識)を共有し合うことで音楽への没入感や感動を感じ「把持的意識の織物」(臨場感のようなもの)を作り上げる。
蒲池みゆき 吉川左紀子 赤松茂変化速度は表情認知に影響するか? -動画刺激を用いた顔表情認知の時間特性の解明-電子情報通信学会技術研究報告.HCS,ヒューマンコミュニケーション基礎第98巻311号17-241998-10-11怒りや驚きの覚醒度の高い表情は表情表出時間が短いほど認識されやすく覚醒水準が低い感情はゆっくり表情を提示した方が認識されやすい顔の表情認知過程における動的な情報の割合を探る一環としてモーフィング技術を応用して作成された動画刺激を用いて顔の表情認知の中での表情の表出速度と認知の相互作用について着目し動く顔表情という人間にとってより自然な表情認知の解明を目的に実験が行われた.結果幸福は提示速度がある程度速く(速すぎてもダメ)なければ「幸福」と認識されず,怒りや驚きも同様に提示速度の速さが求められることがわかった.一方,悲しみはゆっくり提示する必要があり,驚きの顔表情でもゆっくり提示すれば悲しみと評価される場合もあることがわかった.エージェントの顔表情推移速度として,興奮度の高い表情への推移の速さとその後徐々に覚醒水準が下がり快感度のある表情への推移時間が適度な時間であることが示される.
寺澤洋子 星柴玲子 柴山拓郎 大村英史 古川聖 牧野昭二 岡ノ谷一夫身体機能の統合による音楽情動コミュニケーションモデル認知科学第20巻1号112-1292013音楽情動コミュニケーションモデルを促進させる要素を洗い出しモデル化する身体活動によって音楽情動の表現と知覚が正確かつ豊かになること,音楽は運動共有を助けポジティブな情動を喚起することという二つの視点から身体性と社会性の文脈は動的な音楽情動コミュニケーションを引き起こすことを明らかにし身体機能を統合した音楽情動コミュニケーションの理論的モデルを提案.音楽における濃密で直接的な情動コミュニケーションを促進する音楽要素について言及.音楽情動コミュニケーションを促進する要素の一つであるChill反応(鳥肌感とも呼ばれた研究あり)は突然的変化,が起きた時に伴う現象であり,繰り返し聴取によってchill反応の持続が見られた.さらに,人間がリズムに合わせて手を叩くような「リズム知覚」「リズム誘導」といった機能はそれまでのリズム刺激に基づいて拍を能動的に推定し生み出していく(脳はリズムに関して自立的な予測をする)機能があることが裏付けられた.また,音楽情動コミュニケーションの基盤の一つとしての「リズム同期」は複数人のリズムの位相が自然に揃うことや歩くリズム生体リズムに影響されることが示され,「ミラーシステム」(運動している人の映像を見るだけで同じ運動を司る神経に微弱な活動が見られる機能)では他者の身体的状態を生理的なレベルで共有していることが示され共感などの他者との関わりを司る心理作用の土台となっていることが示されている.
寺前典子音楽のコミュニケーションにおける擬似同時性に関する考察 -西洋音楽の記譜法とシュッツのアルヴァックス批判をめぐって-現代社会学理論研究第7巻109-1212013音楽コミュニケーションにおける擬似同時性をシュッツの内的時間に関する概念とアルヴァックスの記譜法の概念から明らかにしたシュッツが論じた内的時間と関連付けながら作曲家-演奏者間の内的時間の共有という擬似同時性とは何かをアルヴァックスによる記譜法の出で立ち概念で補完し明らかにした.シュッツの立場では,意識の流れすなわち内的時間という質的な相を念頭に音楽コミュニケーションが論じられその観点で記譜法を評価したが,アルヴァックスは記号化しうる抽象的な時間という量的な相を念頭に「記憶の社会的枠組」(作曲家の生きた記憶と繋がる)である記譜法を論じた.寺前は両者の立場から,「絶対的時間を持つ」音符と拍子は空間を異にする他者間を擬似同時的に結ぶために作曲家によって意図的に用いられた技法であり,擬似同時的な音楽コミュニケーションは普遍時間すなわち「絶対的時間を持つ音符」と拍子という記譜法の技法よって成立すると結論づけた.音楽コミュニケーションとは,他者との音楽共有体験による意識の流れを共有することであることを再確認し,さらに今日意識の流れを共有しやすくしているものは絶対的時間を持つ記譜法の概念におけるものであることがわかった.相互に波長を合わせる関係もリズムの上に成り立つ.そして,その関係は人間において見られる関係であるが,エージェントと絶対的時間であるリズムを用いて相互に波長を合わせることによって,内的時間の共有を再現しうることがわかる.
増田隆 高橋時市郎 師井聡子Facial Action Coding Systemに基づく表情アニメーションの評価第6回情報科学技術フォーラム313-3142007FACSに基づいたアニメーションの顔表情制御による自然表情の評価3DCGアニメーションにおける表情変化のぎこちなさを解決するために,FACSにおけるアクションユニット を用いることで自然な表情変化を検討.さらに,AUだけでなく瞳孔の大きさも考慮し,蒲池らによる表情表出速度や表情提示時間も考慮した.結果,既存の3DCGによる表情よりもFACSによって微妙な表情筋の制御が自然な表情を作り出せることが判明した.人間らしい表情変化に欠かせない表情パラメータとしてAU1(眉外),AU7(口–歯あり),AU8(口–歯なし),AU11(下唇),AU12(上唇)の動きが重要であることがわかった(感情は様々).中でも,快感情では,AU3(眉中央),AU5(上瞼),AU6(瞼閉じる),AU8,AU9(口角),AU11,AU12の操作による表情評価の妥当性が確認された.さらに,驚き表情はAU3,AU5,AU7,AU11を操作することで評価された.
吉田友敬 山本佐代子 武田昌一生体情報等への音楽リズムモデルの適用可能性情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)Vol.2003,No.127(2003-MUS-053)25-302003-12-21引き込み現象によるリズム同調関係のモデル化音楽における同調現象と生体情報のリズム構造を引き込み同調の概念を通じて議論し新しいモデルの提案の可能性を示唆する.アンサンブルにおける演奏者同士のタイミングには微妙なズレがあり,そのズレの法則性としてフレーズ構造は,フレーズ発端から頂点に達するという特定の瞬間に向かって意識の同調とともに次第に同調度が高まり,その後の意識を継続させることによって同調度を変化させながら持続していくという関係が存在すると考えられる.また,脳波でも生体リズムの同調に重要な働きを持つθ派を基軸としたリズムの同調関係が存在することを論じた.リズムの引き込み現象には,期待-実現の関係の中におけるエントロピー量の大きさによってその瞬間に向けた意識の大きさが,リズムにおける他者との同調関係を許すことが示唆された.
松田憲 一川誠 橘佳奈心拍数が音楽聴取時の時間感覚に与える影響日本感性工学会論文誌Vol.14,No.1215-2222015運動後の心拍数と同じテンポの楽曲を聴いた時の内的時間の感じ方エアロバイク運動で心拍数血圧体温を変化させ,環境音刺激によるその後の時間感覚がどのように変化するかを調査.同質の原理(聴き手の気分やテンポと同質の音楽を与えることで精神的回復に努める)は音楽のリズムにおいてもその効果が見られることから,エアロバイク後に聴取させる楽曲のテンポを安静時の心拍数,エアロバイク運動後の心拍数の2種をとした.これらの心拍数操作条件,楽曲テンポ条件が産出時間(内的時間),感情評価にどのように影響するかを検討.結果,新陳代謝速度が速くなると内的時間の進みが早くなり経過時間を速く感じることがわかった.さらに,運動後,早いテンポの楽曲を聴いた時には快適に感じられるにも関わらず経過した時間の長さは長く感じられることがわかった.楽曲のテンポは内的時間の感じ方に影響を与え,さらに精神テンポと楽曲テンポが比例する場合には内的時間を長く感じられる傾向がわかった.
延谷直哉 仲谷善雄個人の認知や行動をリズムで支援するシステムの提案情報処理学会第70回全国大会,情報処理学会第73回全国大会Vol.2011,No.1475-476,189-1902008,2011個人のパーソナルテンポによって調整した音響による運動リズムの引き込み効果個人個人の異なるパーソナルテンポをシステムに汲み取りそのテンポを基準とした最適リズムを検討し,そこで明らかになったリズムで個人のリズムを強化・支援するシステムの提案.パーソナルテンポを音響によって調整することで運動リズムの引き込み効果が確認された.同じテンポでもリズムパターンによって行動への影響は大きく異なり,特に,裏拍を含む複雑なリズムやHouse,16ビートの与える行動への影響は大きい.(その要因として期待との逸脱があるのでは??)ここから,個人の運動リズムは特定の運動パターンに引き込むことで良い影響を与えることがわかった.
松田憲 堀江悠美 一川誠BGM聴取時の心拍数・体温・血圧が時間評価に及ぼす影響日本認知科学会第28会大会3-102011心拍数・体温・血圧によって音楽刺激を受けながら過ごした時間はどのように評価されるのか人間の好みとするテンポは精神テンポに由来する.松田らは,精神テンポに合わせた音楽を心拍体温血圧を操作後に聴取させ,どのように時間を評価するのかを検証した.結果,操作なし状態では心拍数が一般より低い(bpm69以下)の人は精神テンポの曲の時間を過小評価しやすく,高い人(bpm70以上)は過大評価しやすいことが明らかとなり,遅いテンポは時間が過小評価されテンポがは楽なるほど過大評価されることがわかった.さらに心拍数操作後も,操作なしと同じ(普段の精神テンポの時間評価した場合遅い曲:過小評価,速い:過大評価)結果であったことから時間の過小過大評価は心拍数に一致しているか否かに関わらず音楽の店舗に依存することがわかった.また,体温の低さによって時間を過小評価したことから体温が上昇して代謝が激しい時は時間を過大評価することがわかった.さらに,血圧も時間評価に影響を及ぼす一要因であり,心理状態集中度合いによって時間の評価値が変動することが明らかとなった.聴取した音楽のテンポが曲のテンポと精神テンポが一致しているかどうかに関わらず時間の過小過大評価の直接的要因となっていることがわかった.
著者タイトル発表場所や出版社掲載ページ発行年内容の簡潔なまとめ内容の詳細メモ自分の研究との関連性のメモ








21_Sampleに戻る


トップ   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS